半衿と伊達襟(重ね襟)
福岡県筑紫野市二日市西と福岡市中央区春吉
長崎県佐世保市の常設教室や
福岡県、佐賀県、長崎県内の公民館等で初級無料着付け教室を開催している
「きもの装美着付学院」です。
こんにちは。
今回は半衿と伊達衿(重ね衿)についてのお話です。
衿もとは、着物姿の重要なポイントです。
着物の衿もとが汚れないようにカバーするだけではなく
お洒落として着物の色、柄をより強調する役目も果たしています。
目次
・半衿の素材
・白半衿
・色半衿
・刺繍半衿
・伊達衿(重ね衿)
【半衿の素材】
素材は豊富で、袷の着物には、塩瀬(しおぜ)・縮緬(ちりめん)・綸子(りんず)
東雲(しののめ)・明雲(あけくも)・ふくれ織り・唐織りなどです。
また、単衣の場合は、絽(ろ)の着物には絽、麻の着物には麻。
紗の着物には紗または絽。紬や御召などには絽・縮緬(ちりめん)を使用します。
【白半衿】
礼装用の半衿は、白が正式です。
塩瀬の半衿を1枚持っていると、正式な場所(結婚式や式典など)でも対応できます。
無地の塩瀬半衿
【色半衿】
色半衿は、地味な着物を明るく見せる役目を果たします。
友禅染、絞り無地などの色半衿を着物の柄や色との調和を考えながら
合わせるととってもお洒落になります。
使用する着物は紬や小紋などです。
【刺繍半衿】
普段着から礼装用まで、豊富にあります。
白地に白糸や金糸、銀糸系で吉祥文様を控えめに刺繍してある半衿は
フォーマルにも使用できます。
また、色とりどりの糸で華やかに刺繍してある半衿は若い人の振袖などの
フォーマルに使用します。
色半衿に刺繍をしてある半衿は、紬などのおしゃれ着に使用します。
【伊達衿(重ね衿)】
伊達衿とは、着物を二枚重ねて着たように見せるための別衿のことをいいます。
留袖についている白二重の比翼衿と同じようなもので
伊達衿は比翼衿の簡略化と思っていただいてもいいかもしれません。
本来は、振袖・訪問着・付け下げ・色無地などに用いますが
衿もとの重みを付けるために、小紋などの染めの着物などに使うこともあります。
織りの着物には用いません。(紬・絣など)
【伊達衿の選び方のポイント】
★上品な雰囲気
→着物と同色か同系色の薄い色目がおススメです。
★華やかな雰囲気
→着物と同系色の濃い色みや、同系色の補色と合わせるのがおススメです。
テクニックとして、帯締めや帯揚げの色と合わせると粋な華やかさも出るかと思います。
いかがでしたでしょうか?
半衿ひとつで同じ着物の雰囲気が可愛らしくなったり
上品な雰囲気になったり
華やかにへんかしたりと、全くことなります。
ご自身が付けておられるいつもの半衿とは
違う半衿を合わせられてみて着物でのおしゃれを楽しまれてくださいね。
・・・・・・・・・・・・・・・・補足・・・・・・・・・・・・・・・
着用後の半衿についてです。
半衿は長襦袢の衿につけますが、すぐに着用しない場合は取り外して
洗濯しておきましょう。
付けたままにしておくと、黄変(きばみ)のもととなります。
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